車の免許を取ったのは、30代半ば。
どうしても必要に迫られてのことでした。
私の年代でも、若くして免許を取った人はいっぱいいて、私なんかいい加減オバサンになってからだったから、その鈍さったらお話にもならなかったわ。
とにかく、教官が怖くて怖くて。
一番下の子がまだ幼稚園入園前だったから、保育施設のある自動車学校まで、雨の日も風の日もチャリンコで駆け付けて。
いやあ、体力があったのね~
まだ、気に入った教官を指名する、なんて事は不可能で、今日は誰が担当だろう・・・ブルブル って感じでしたよ。
さて、ある日の講習。
その日の教官は、イマイチ苦手な人で、しかも坂道発進という最悪の展開。
坂道発進って、思いっきりブレーキを踏んだりクラッチを踏んだり、アクセルを踏んだりするじゃありませんか。
必死になってやっている私の足元を見て、教官が言ったの。
「ブレーキを踏んだ時に、そんな風にガマ口みたいになる靴じゃ、上手くいかない」
えっ、私の靴、ガマ口みたい??

後でゆっくり見ると、靴が足にピッタリしていなくて、踏み込むと横に少し広がるのね。
だけど、ガマ口は無いでしょ、ガマ口は。
あの頃は、あんまりスニーカーが普及していなかったのかもしれない。
いい年して免許を取ろうとしたもんだから、言われ放題だった自動車教習所。
ハンコを貰うのが、あんなに大変だったことはなかったわ。
でも、あの苦労のお蔭で、次に山の中に引っ越した時、本当に楽になったんだから、「若い時(中年)の苦労は買うてでもせよ」 だわね。
あの自動車学校も、あの後はサービス満点になったらしいから、隔世の感ですね。